家賃債務保証、事業者の登録制度創設へ

国土交通省はこのほど、「家賃債務保証の情報提供等に関する検討委員会」(座長:弁護士・犬塚 浩氏)の第2回目の会合を開催。家賃債務保証の情報提供等の方向性の案を示した。

少子高齢化や人間関係の希薄化により、入居時の連帯保証人確保が困難になっていることから、家賃債務保証業の重要性が増し、利用も増加。しかし住宅確保要配慮者に対しては事業者が家賃債務保証を断るケースがあることから、住宅確保要配慮者の入居円滑化が課題であるとした。

家賃債務保証契約については、消費生活センター等へ寄せられる苦情・相談件数も高止まりしていて、その内容は、契約内容について十分に理解できていないことに起因しているものが散見される。
また家賃債務保証業者は、把握したものだけで147社が事業を展開しているが、家賃債務保証業は新しい業態であることもあり、建物の賃貸借について十分に理解していない事業者がいること、3つある業界団体加盟事業者は3割強(55社)にとどまっていることを指摘した。

そこで、
(1)一定の要件を満たす家賃保証業者であることについて適切に情報提供を行なうこと、
(2)家賃債務保証業者に対し、適正な業務を行なうための体制整備を求めること、
(3)賃借人の利益保護を図るための仕組みを構築すること、
(4)業界団体が取り組む業務適正化のための活動を推進していくこと、
(5)住宅確保要配慮者ができるだけ家賃債務保証を利用出来る仕組みを構築すること、という基本的方向性を示した。

具体的には、家賃債務保証業者を国に登録、情報提供する制度を新設することとし、その登録用件や業務適正化のルールについても定めることを提案。また登録業者に対する指導として、業務に関する報告・資料の提出を求めることができる、登録規程に違反した場合必要な指導、助言、勧告することができる、不正または著しく不当な行為をした場合には登録を抹消することができ、一定期間は再登録できない、といった方策を挙げた。

また、業界団体における業務適正化に係る取り組み推進や、登録業者の活用が促進されるような制度的枠組みの検討、家賃債務保証の引き受けを促進することで、賃貸人の不安感払拭の必要性なども指摘した。

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