IREM JAPANはこのほど、第4回「全国賃貸住宅実態調査」結果を発表した。
同調査は、不動産物件の収入を計る尺度である「NOI(営業純利益)率」(=100%−<空室率+運営費率>)を把握するとともに、普及のための基礎資料とすることを目的に行なっているもの。対象は、全国の賃貸物件所有者および管理会社。実施期間は、2015年6〜11月末日。9,604件(7万2,791戸)の回答を得て、うち有効回答数は8,894件(7万504戸)。
それによると、単身向け物件NOI率は73.63%(空室率3.13%、運営費率23.24%)、前年と比較して2.65ポイントの下降。非木造物件は、築年数が浅いほどNOI率が高かった。
NOI平均は4万3,124円で、前年と比較してほぼ横ばい(1,415円減)。木造・非木造物件のいずれも築年数が浅いほどNOIが高かった。
ファミリー向け物件NOI率は75.49%(空室率2.79%、運営費率21.72%)で、前年と比較してほぼ横ばい(0.12ポイント下降)。木造物件は、築年数が浅いほどNOI率が高かった。
NOI平均は6万1,167円と、前年と比較してほぼ横ばい(1,054円減)。非木造物件は、築年数が浅いほどNOIが高かった。
今回の調査について、国土交通省土地・建設産業局不動産市場整備課長の中田裕人氏は、「現在、政府全体でオープンデータ化、ビッグデータの利活用を推進中だが、賃貸住宅の情報を収集し、NOI率として広く公開することは、社会全体の生産性向上につながる」などとコメントしている。