主要都市の地価、上昇地区が全体の9割となった

国土交通省は3日、主要都市の高度利用地地価動向をまとめた「地価LOOKレポート」(2016年第1四半期)を公表した。調査対象は東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市等23地区の計100地区(住宅系地区32地区、商業系地区68地区)。

 当期(1月1日〜4月1日)の地価動向は、上昇が89地区(前回89地区)、横ばいが10地区(同11地区)、下落が0地区(同0地区)となり、上昇地区が全体の約9割となった。
 上昇地区のうち、71地区が0〜3%の上昇。住宅系の2地区(「宮の森」(札幌市)、「番町」(東京都千代田区))および商業系の14地区(「駅前通」(札幌市)、「銀座中央」(東京都中央区)、「日本橋」(東京都中央区)、「虎ノ門」(東京都港区)等)が3〜6%の上昇。商業系2地区(「太閤口」(名古屋市)、「なんば」(大阪市))が6%以上の上昇だった。

 上昇地区の割合が高水準を維持している主な要因として、大都市圏を中心に、空室率の改善等によるオフィス市況の回復基調が続いていること、大規模な再開発事業が進捗していること、訪日客による購買・宿泊需要が引き続き高水準にあること等を背景に、金融緩和等による良好な資金調達環境と相まって法人投資家等による不動産投資意欲が引き続き強い等と分析している。

 圏域別では、東京圏(43地区)では上昇が41地区(同41地区)、横ばいが2地区(同2地区)、大阪圏(25地区)では、上昇が24地区(同23地区)、横ばいが1地区(同2地区)となり、いずれもほぼすべての地区が上昇した。名古屋圏(9地区)では、12回連続ですべての地区が上昇。地方圏(22地区)では、上昇が15地区(同15地区)、横ばいが7地区(同7地区)となり、約7割の地区が上昇となった。

 住宅系地区(32地区)では、上昇が28地区(前回27地区)、横ばいが4地区(同5地区)となり、8割超の地区が上昇となった。商業系地区(67地区)では、上昇が61地区(同61地区)、横ばいが6地区(同6地区)となり、9割超の地区が上昇。
 特徴的な地区を見ると、新たに大阪市の「なんば」で6%以上の上昇となった。また、新たに2地区(東京都中央区の「日本橋」、同渋谷区の「渋谷」)で上昇幅が拡大し、3〜6%の上昇となった。

 なお、地区数については前回・今回とも熊本市1地区を除く99地区で比較を行なっている。

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