(一社)不動産流通経営協会(FRK)は、21日理事会を開き、2017年度税制改正に関する要望を決定した。
住宅取得・買換促進のための住宅税制等では、土地の売買による所有権移転登記・信託登記の登録免許税の税率特例の延長、一定の住宅用家屋についての登録免許税の特例の延長、宅建業者が既存住宅を取得して一定の増改築を行なって再販する場合の不動産取得税の軽減措置(課税標準の減額措置)の延長と敷地への適用などを要望。
拡充については、既存住宅の住宅ローン控除の最大控除額の400万円への引き上げ(現行200万円)、最低床面積要件の引き下げのほか、住宅ローン減税の二地域居住住宅への適用などを求める。
不動産の流動化・有効利用促進のための不動産税制では、不動産特定共同事業法の特例事業者が取得する不動産に係る特例の延長、JREITおよびSPC等が取得する不動産に係る特例の延長を要望。長期保有の事業用資産の買換え特例(繰延割合原則80%)の延長・法人が立体買換えを行なう場合の土地の300平方メートル以上の要件の撤廃を求めるほか、消費税増税への対応として、消費税に軽減税率制度が導入される場合には、住宅取得の際の軽減税率の適用、不動産に係る多重課税の排除(印紙税の廃止等)を要望する。
同協会は、「中古住宅・リフォーム市場の拡大、三世代同居・近居がしやすい環境づくり、既存住宅流通の市場規模の拡大など、国が掲げた目標を実現するためには、個々人のライフスタイルに合わせた既存住宅の取得を促進する税制とともに、新築住宅の供給を推し進め、取得環境を整えることが重要」としている。