業法改正に係るインスペクションは「建築士」が実施

社会資本整備審議会産業分科会不動産部会(部会長:中田裕康・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は26日、29回目となる会合を開き、建物状況調査(インスペクション)の活用等を柱とした宅地建物取引業法改正施行に係るインスペクションの実施方法等についての方針をまとめた。

 改正宅建業法の施行に伴い、2018年4月1日以降宅建業者は、売買契約締結前の重要事項説明時にインスペクション実施の有無、実施している場合にはその結果の説明、また媒介契約締結時にインスペクション業者のあっせんの可否、可能な場合は必要に応じてあっせんすることが求められるなど、業法上にインスペクションが位置付けられることから、インスペクション実務の業法的な位置付けを示したもの。

 インスペクションの対象部位については、国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を踏まえ、またその調査結果により既存住宅売買瑕疵保険に加入できるよう、同保険に係る現場検査の対象部位と同様とする。重説時に説明するインスペクション結果についても、同ガイドラインの既存住宅現況検査結果報告書と同様のものとするほか、既存住宅売買瑕疵保険同様に「調査実施から1年以内」を対象とするとした。

 重説上のインスペクション結果の書面は、調査を実施した同資格者が記載し、宅建士が説明する。直近のインスペクション結果以外に取引に影響する劣化状況を把握していた場合、説明を行なわなければ業法違反に問われる。

 インスペクションの実施主体については、「調査に係る一定の講習を修了した建築士」とした。すでに、同省のインスペクション・ガイドラインに係る講習制度としては、(一社)住宅瑕疵担保責任保険協会による「既存住宅現況検査技術者講習」が13年より開始されており、約1万8,000名の建築士が登録しているが、業法改正に合わせ、新たに「既存住宅調査技術者講習(仮称)」の創設準備を年明けにも開始する。
 同講習では、既存住宅瑕疵保険を取り扱う5つの保険法人を国の登録を受けた講習機関としてイメージ。講習の実施、修了者の登録、指導・除名、インスペクションに係るユーザーからの相談対応などを担う。「既存住宅現況検査技術者講習」資格登録者も、新たに受講を求める。

 一方、建築士以外のインスペクション実施については、今後も継続して検討していく。ただし、講習を修了した建築士であっても、宅建士として自ら取引の媒介を行なうなど取引に利害関係がある場合は、売主・買主の同意がある場合を除き、インスペクション実施主体となるのは適当でないと、第三者性を堅持するよう求める。ただし、宅建業者の子会社など、取引主体とインスペクション実施者が明確に分かれている場合は、同意の必要はないとした。

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