(株)帝国データバンク(TDB)は11日、2016年12月の「TDB景気動向調査(全国)」の結果を発表した。調査対象は2万3,804社、有効回答は1万33社。
同月の景気動向指数(景気DI:0~100、50が判断の分かれ目)は45.4(前月比1.3ポイント増)で、4ヵ月連続の改善。自動車生産が引き続き好調だったことに加え、トランプミクスへの期待もあり金融市場が安定的に推移した。貸家を中心に住宅着工戸数の増加なども好材料。国内景気は堅調な内需需要に好調な年末商戦の効果が加わり、上向き傾向が続いた。今後の景気は一部で懸念材料があるものの、穏やかな回復が続くとみられる。
業界別では、消費税増税前の駆け込み需要で盛り上がった13年12月以来、3年ぶりに10業界すべてが改善した。「不動産」の景気DIは48.7(同1.0ポイント増)と2ヵ月連続で改善。「設備投資による売上が多少増えた」「賃料が上昇し、空室率も改善傾向にある」「繁忙期に入り賃貸の動きが良い。投資用物件の売買も好調」といった声が聞かれた。
また「建設」のDIは49.7(同0.5ポイント増)。「オフィスビルのリフォーム工事案件がかなり増えている」「インバウンドおよび五輪のホテル需要に対して、ホテル業界ではリニューアル・新規建築がある」といったコメントが寄せられた。