国土交通省は23日、2回目となる「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」(座長:深尾精一氏・首都大学東京名誉教授)を開き、消費者が住みたい・買いたいと思える「新しいイメージの既存住宅」の要件と、商標登録に係る制度についての基本的な考えを示した。
同省に「新しい既存住宅」を供給する事業者団体を登録。新しい既存住宅は、新耐震基準に適合していることを基本とし、インスペクションを実施しその情報を開示。構造上の不具合や雨漏りがあった場合は改修を完了し、シロアリ被害、設備の不具合、省エネ性能などは検査結果等の情報開示を行なう。共同住宅の場合は、共用部の管理に関する情報も開示する。また、既存住宅売買瑕疵保険もしくは同等の自社保証の付保も条件とする。
設備機器の交換や内装のリフォーム等については、事業者団体ごとにルールを定め、その基準に適合していることを条件とする。水回りや内外装については写真を開示する。
事業者団体は、加盟する事業者が商標を付与する際のルール審査、事業者への研修・指導、商標を付与した住宅の台帳管理、消費者からの苦情相談などを行なう。団体事務局が戸別に商標を付与するのではなく、ルールに基づいて事業者が使用する。同省は、事業者団体の指導・勧告等に加え、販売状況報告やユーザーのモニタリング調査結果などを受けた要件見直しなどを定期的に実施する。
また、これまで仮称としてきた「プレミアム既存住宅」に代わる通称と商標については、「安心住宅」「適格住宅」などの例が示されたが、「違う認定要件で同じ商標を与えることは消費者に誤解を与える」などの意見が委員から挙がった。
同省は、2月28日の次回会合で、名称・商標案と制度案を示し、年度内の制度スタートを目指す。なお、同省による事業者団体の選定や、事業者団体内のルール作り等を経て、実際の制度運用開始までは、17年度一杯かかる見通し。