国土交通省は3月21日、平成29年の公示地価を発表した。
住宅地においては、全国平均の変動率が0となり、平成28年の0.2%減に対し下げ止まったといえる。
圏域別でもっとも上昇率が高かったのは、札幌、仙台、広島、福岡の4都市で、前年比で0.5%上がった。
首都圏の不動産価格の高騰で、一部の投資マネーが地方都市に向かった可能性が考えられる。
また、2015年の相続税増税により、地元の富裕層が節税対策で中心部のマンションを購入する動きからデベロッパーによる開発が進むケースもある。
札幌市の平成28年1~9月期の貸家の新築着工件数は前年同期比23.3%だった。
その理由が、同市中央区に隣接するエリアでの賃貸マンション建設が活発化したのが要因の一つだ。
仙台では、中心地の青葉区で相続対策として富裕層向けの住宅販売が堅調で、県外からの需要も増えているという。
福岡市内では、Jリートによる大型物件の取得や、相続税対策の個人投資家による収益物件の取得が活発だ。
だが、市内では優良物件が少なくなり、利回りも低下傾向にあるため、北九州など他都市に投資マネーが向かう可能性もある。