国際主要都市オフィス価格上昇率、「大阪」がトップ

(一財)日本不動産研究所(JREI)は25日、第8回「国際不動産価格賃料指数」(2017年4月)の調査結果を発表した。

 国際的な主要都市の不動産市場動向を調査するため、同研究所の不動産鑑定士が評価した価格・賃料を指数化したもの。対象は、東京、大阪、ソウル、北京、上海、香港、台北、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ニューヨーク、ロンドンの14都市で、1都市当たり6物件(オフィス3物件、マンション3物件)。価格時点(各年4月1日、10月1日)において、対象物件の新築・新規契約を前提とした1平方メートル当たりの価格・賃料を指数化した。

 オフィス価格の各都市・対前回上昇率が最も高かったのは、「大阪」の+3.7%。次いで「ホーチミン」(+3.2%)、「香港」(+2.2%)となった。前回まで5期連続でトップだった「東京」は今回+1.8%の上昇に留まった。「東京」はアベノミクス以降、日銀の金融緩和等を背景にオフィス価格の上昇が続いたが、投資利回りが過去最も低い水準の領域にまで到達したことなどから、オフィス価格の上昇にも鈍化の兆しが現れ始めた。一方、「大阪」は「東京」と比べると相対的に利回りが高いことなどから、投資利回りの低下が依然として続いており、これが今回のオフィス価格上昇を牽引したと見られる。

 また、賃料の変動率が最も高かったのが「香港」(+2.2%)。次いで「バンコク」(+1.8%)、「ホーチミン」(+1.7%)となった。「大阪」は+1.6%、「東京」は+1.5%。最も下落したのが「シンガポール」(-3.5%)。

 マンション価格で変動率が最も高かったのは、「北京」(+20.0%)、次いで「上海」(+8.8%)、「香港」(+6.0%)。マンション賃料については、最も上昇したのが「上海」(+3.2%)、続いて「北京」(+3.4%)、「ホーチミン」(+1.4%)。最も下落したのが、「シンガポール」(-2.4%)。

 東京丸の内・大手町地区所在の最上位オフィスの価格(1棟の賃貸可能面積当たりの床価格単価)を100.0とした価格水準比較では、トップが「香港」の170.3。以下、「ロンドン」(64.6)、「台北」(57.7)と続いた。賃料水準比較では、「香港」が182.0、「ロンドン」が117.1、「ニューヨーク」が100.5の順。

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