国土交通省は27日、国土審議会計画推進部会「第5回国土管理専門委員会」(委員長:長岡技術科学大学副学長・中出文平氏)を開催した。
同委員会は2016年9月より、国土形成計画の推進に関し、人口減少下における持続可能な国土の管理・利用を推進するための施策のあり方について議論。16年度は国、地方地自体等がどのように対応すべきかを議題に、特に国土利用計画法の土地利用計画制度のうち、国土利用計画(市町村計画)制度のあり方について検討を行なった。17年度は「複合的な施策」および「選択的な国土利用」を推進していく上での課題と対応の方向性について整理・検討する。
第5回目となる今回は、「複合的な施策」等を推進していく上での課題として、「国土を継続的に維持管理するために継続的に関与する主体(人)の確保」など「主体(人)の視点」、「土地所有者による管理が行なわれない場合の対応」など「土地の視点」、「関係者が共通の方向を向いて取り組むための計画や方針の共有」など「仕組みの視点」の3つの視点を掲げ、各視点から課題となることは何か、どのような対応が求められるのか等を論議。
委員からは、「地域で取り組みを実施する際の合意形成をサポートするファシリテートのできる人材の確保が必要」「新しい取り組みを始める際の動機付けとして民間主導で取り組みを推進できる仕組みをつくるべき」「力を入れている地域とそうでない地域の差が出過ぎないよう全体最適化を検討すべきではないか」「成功事例だけでなく、さまざまな事例を収集して積み上げておくことが大事」といった声が挙がった。
また、国土利用計画(市町村計画)策定を推進する上での留意事項についても検討。広域的視点や災害リスク等の地域特性を考慮し、技術的支援等を充実させていくために、事例集、マニュアル等の作成や研修、説明会等を含めた展開などについて、確認がなされた。